らぼらとり

koutya07の日記、備忘録

WAIS-IV知能検査を受けた

はじめに

  • 当記事では、これから検査を受ける方への配慮として、検査の具体的な内容について記述しない
  • 当記事では主に検査当日のレポート、検査の前後で感じた心理的な変化、知能検査について私が思ったことについて記述する。

簡単な要約

全検査IQ 言語理解 知覚推理 ワーキングメモリ 処理速度
123 115 124 122 111
  • 2023年07月08日にWAIS-IV知能検査を受けた。
  • 人生で初めて知能検査を受けた。
  • 開始から終了までおよそ90分掛かった。
  • 検査+結果の説明費用として2万円を支払った。
  • 受験者は普段ストラテラを服用している。
  • 試験2日前より断薬をし、当日の試験に臨んだ。

受験者について

検査を受けようと思ったキッカケ

以前より主治医より検査を勧められていたが、金銭的な問題で見送っていた。

検査に2万円を支払う余裕ができたので、今回検査を受けるに至った。

「自分の知能の凹凸を認識することで、発達障害に対してより精緻な対策を立てる」ことが目的。

検査前

前述した目的により「知能の凹凸」を検査結果により反映させる為に、検査の2日前よりストラテラを断薬した。

注意力が散漫になり、集中力の維持が困難になった。 とんでもなく低いIQが出たらどうしようと、不安で仕方がなかった。 薬が切れると、感覚で分かるレベルで脳がダメダメになった。

試験当日は「家を出る直前にスマホを失くす」「そのせいで家を出る時間がギリギリになり駅までダッシュする」「予約の時間を勘違いして1時間早く着いてしまう」のようなトラブルが発生した(ADHDあるある)

検査中

試験には500mlの水を2本持ち込んだ。集中力をできるだけ維持できるよう、問題の合間でこまめに水分補給した。

問題が読み上げられているとき、「部屋内のゴミ箱に貼ってあるラベルの文字」が急に気になってしまい、その問題は何も答えられなかった。

頭の中で暗算をしなければならない場面があったが、非常に簡単な計算が急にできなくなってしまった。

かなりの量の問題を「わかりません」でスキップした。体感としては、かなり出来なかったと感じた。

検査後

脳が完全に死んでいたので、すぐにストラテラを服用した。30分くらいすると脳が活性化していくのを感じた。

その後、長時間考えても分からなかった問題について頭の中で考えてみたところ、簡単に答えが出た。 なぜこれができなかったんだ…?と思った。ストラテラを抜くとこんなに違うのか…と少し落ち込んだ。

2日ぶりに薬が効くと、脳細胞の隅々まで意識が行き渡る感覚と、考えれば考える程どこまでも広く深く思考が伸びてゆく感覚があり、とても良い気分になった。

検査を受ける前と後で変わったこと

思ったよりもずっとずっと結果が良くて嬉しかった。

(少なくとも、何かを考えることに対する向き不向きに関しては)自分にハンディキャップはないということが客観的に認識できた。勉強をすることに対して以前よりもポジティブに向き合えるようになった。

特にワーキンクメモリのスコアが悪くなかったことが、自分としては自信になった。

「言語理解IQ < 知覚推理IQ」より、「言葉で聞いて意味を理解する」よりも「目で見て意味を理解する」方が向いているということが分かった。これは自分の感覚とも一致していて腑に落ちた。

昔から、自分でも理由が分からないが問題の答えが何となく分かるということがよくあった。自分はこの現象を「感覚派だから」と解釈していた。 しかしそれはおそらく間違いで、これは「言語理解できる範囲を超えるが、知覚推理できる範囲に収まる」問題に対して知覚推理が及んだ結果、言語化できないが分かる」答えに辿り着くという現象が発生している可能性がある。

つまり脳は言語を超えた領域で問題の答えをちゃんと「分かっている」ときがあるのではないかと考察する。

これは非常に興味深い視点だと思う。

知能検査を受けることの是非について

検査のスコア(IQ)が厳密に「その人間の知能」を表しているかを考えると、確実に違うと思う。 特に100よりも上のスコアに関しては「知能が優れている」というよりも「頭の中でガチャガチャ考えることに慣れている」だけなのでは?と思った。

私の場合、知覚推理IQが124で上位5%程度のスコアが出たが、これは以下に列挙する経験に依るものと感じた。

  • (幼少期)ひとりで狂ったようにLEGOと積み木で遊んでいた
  • (小学生)カードゲームでいかに効率よくリソースのトレードを実現するか死ぬほど考えた
  • (小学生)ミニ四駆の大会で大人に勝つ為に、知恵を絞りに絞って工夫した
  • (高校生)競技プログラミングで勝つために1日24時間、夢の中でもアルゴリズムについて考え抜いた
  • (高校生〜)人生の全てを麻雀に使用して、一般的な人生のレールから外れた
  • (大学生)麻雀とポーカーで勝つために自らのプレイを徹底的に言語化し、アクションの理由を突き詰めた
  • (社会人)ブラック企業から逃げる為に相場の原理原則について徹底的に考えた

ただのオタクである。 しかも人生のレールから外れてしまい、生涯に得られる年収の期待値を大きく毀損しているので、ただのアホである。 とても知能が高いとは言いがたい。

一方で85よりも下のスコア(いわゆる境界知能と呼ばれる領域)に関しては、何かしらの知的な障害の診断に対して、一定程度意味のある判断基準を与える指標になり得るかも…とも感じた。

まとめると、(誤解を恐れずに言うと)知能検査は「健常者ならば普通できること」を「普通にできるか?」を確認する検査としては一定程度の有効性を感じた。

100より上のスコアに関しては、知能の凹凸を見るという点では価値があるが、知能の高さを評価することに関しては、胡散臭さを感じた。